7月27日のOnlyPranaです。アー(熱帯夜なので)。今回はウー(私なので)でやっていきます。
読書感想文を互いに指定して読書感想文を書く企画ですが、なんと本日7月27日で最終回です。
過去の読書感想文
日本萌学会さんの読書感想文課題図書の指定にあたって「えっちなのと気持ち悪いのだとどっちがいい?」と聞かれたので「えっちなのはダメなので気持ち悪い方で。」と答えた結果三人のうち一人だけ気持ち悪い本を読むことになりました。(ちなみに私が指定した課題図書は普通に18禁の漫画でした)死。
なにはともあれ気持ち悪いものは割と好きなので楽しくやっていこうと思います。
今回の課題図書はこれです。
恋人の美紀の事故死を周囲に隠しながら、彼女は今でも生きていると、その幸福を語り続ける男。彼の手元には、黒いビニールに包まれた謎の瓶があった──。それは純愛か、狂気か。喪失感と行き場のない怒りに覆われた青春を、悲しみに抵抗する「虚言癖」の青年のうちに描き、圧倒的な衝撃と賞賛を集めた野間文芸新人賞受賞作。若き芥川賞・大江健三郎賞受賞作家の初期決定的代表作。
『遮光』あらすじ
感想
主人公が持ち歩いている瓶の中身は事故死した恋人の指です。
この指は遺体安置所に安置された遺体と対面した主人公が衝動的に切り離し持ち去ったものです。
人の遺体の一部なのでしかるべき方法で安静に保管する必要がありますが、主人公はそれをホルマリン漬けにして持ち歩いているがために徐々に腐敗が進みます。
また、指の腐敗は正気と狂気の狭間を行ったり来たりする主人公を束縛する呪いのような役割を果たしており、彼が「彼女」を遠ざけようとする都度、どこからともなく腐臭が漂ってきて彼を「彼女」への意識を呼び起こします。
最終的に主人公は芋虫と誤認されるほどに原形の失われた「彼女」を体内に取り込んでしまいます。
指を食べてしまうのはまあいいとして作中の描写からして結構痛んでるので読んでいて口の中が気持ち悪い感じになります。
この物語の幕切れが美しくて、最後の行が「そのまま、口の中に含んだ。」と端的に締められていて余韻の気持ち悪さが残ってうれしいですね。
さて、結局恋人の死を受け入れられず暗黒面に堕ちてしまった主人公ですが、なんだかこれはこれでよかったような気もします。
えっちな方にすれば良かった…
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